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            宇宙は本の箱

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六次元講義(30) 言葉の力

「あなた方一人一人の中に、その力があるのです」

その言葉を聞くと突然に、はらはらはら と、涙が頬を伝って落ち、あとはもう泣きっぱなしだった。

夜になってそのことを理事長に尋ねられて、
「分りません。ただ先生の深い慈愛の心がまっすぐに私の心に入って来て、ここにこう収まって行くのが分りました」そう答えると、
赤ちゃんのような顔で「よかった~」と一言だけ仰って黙って笑っておられた先生が、
「あんたは本当にいいな」そう言われた。



今朝は急にそんな先生とのとある日の思い出に目覚め、急にT奥様が私のことをいつから先生と言うようになったのかを、どうでもいいことだがふいに考えた。
「いつだったか、あなたと話しをしていて、ここにストンと言葉が落ちて、そうしたら心がスーと澄み切ったようになって・・・」会うと大先生の奥様はよく誰にでも私を紹介するのにそう言われるが、私はそれがいつのことだったか知っているが・・・思えば私がいろんな話をしたから先生なのではなく、それが故に先生になったのだろう。

後年、名古屋の人を車で駅まで送って行った時、大阪での先生とのその話しをしたら、
『あなた方一人一人の中にその力があるのです』と、「先生はいつもそのような言い方をされ、先生がそう言われると、他の人と違ってその・・・人を慈しむ温かい心がこう・・伝わってきますよね」
私がそういう話しをしたら、その人はもうそれだけでハンカチを取り出して涙を拭き続けた。
だから・・・おそらく、そこが先生なのだろうと思った。先生という職業だからではなく、先生なのだった。昔々、まだ十九だった私のことを二十五にならんとするきみちゃんが先生と呼んだのも、それはおそらくそうなのだった。
私が母のことを母というよりはまず人生最初の師だと思うのは、そういうことだった。
まっすぐに心に入り込んだ言葉は、そこにストンと鎮座する。











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